大阪科学技術センターは、2025 年万博のレガシーとして進めるべきまちづくりの方向性を「ポスト万博の都市空間戦略~2040年に向けた大阪・関西のまちづくり~」として、提言に取りまとめました。
大阪科学技術センターの地域開発委員会 大阪都市再生部会(注1)では、東京都がオリンピックの20年後の2040年の都市づくりを議論していた経緯があり、大阪でも、特に万博が開催されるベイエリアに関して、エリア全体の将来のあり方と方向性について、大阪が大きく発展する機会を産み出していきたいという民間企業からの要望をきっかけに、2019年から議論を進めてまいりました。
本提言は、2025年大阪・関西万博を契機に進めていくべき、ポスト万博の大阪・関西の都市空間戦略を、「大阪」と「関西」のそれぞれの階層で研究した提言となっています。
「大阪」については、キタやミナミの都心と今後様々なまちづくりが展開されるベイエリアとを結ぶ東西軸に着目して、2025年万博のレガシーとして、アジア・世界の中の大阪・関西としての将来を牽引する、大阪の「新しい都心拠点・インナーベイエリア(注2)」の創成すべきとしています。ポイントは、外国人を含む来訪者増加が見込まれる万博やIR整備を契機に、水辺空間を活かしたリゾートホテル等観光の拠点の形成やベイエリアで働くハイクラス人材や外国人のための高級レジデンス整備等の充実を進めること、また、一方で高潮等の水害リスクが常にある地域であることから、ドイツハンブルグで実践されているような河川に面する個別建築物レベルで堤防を代替する新たな取り組みを進めることを提案しています。
「関西」については、人口減少社会にふさわしい都市圏構造として、大阪、京都、神戸の三都以外の拠点都市や住宅都市、集落地域も輝くことができる、シティ・リージョン(注3)としてアップグレードした「多都型の関西」を目指すとしています。
これらチャレンジングなまちづくりに官民連携して取り組むことができれば、大阪・関西の国際的ポジションの向上という、まさに万博開催後の「レガシー」に結びつくと考えられます。
なお、本提言書は、3/21に、大阪科学技術センターから大阪市へ手交しており、本提言をもとに、5月頃を目途に公開シンポジウムを開催することを計画しています。
大阪科学技術センターでは、引き続きインナーベイエリアを始め、独自の視点で将来の大阪、関西の発展につながるような提言活動に取り組んでいきます。
(注1)地域開発委員会 大阪都市再生部会(在阪企業を中心としたインフラやメーカー12社で構成)にて検討。
(注2)インナーベイエリアとは、長らく臨海工業地域のまちとして発展してきた大正区、住之江区、港区、此花区、
西区周辺エリアを指す。そのため、造船業の倉庫・事業用地などのスケールの大きい施設や、区画整理に
よって整備された幅員の広い道路空間など、臨海工業地域ならではの空間資源が地区の特徴となっている。
(注3)シティ・リージョンとは、都市圏をこえた広範囲のエリアのこと。
提言書『ポスト万博の都市空間戦略~2040年に向けた大阪・関西のまちづくり~』(PDF6MB)
本件窓口:技術振興部 大原 TEL06-6443-5320