1大きなコップの中に小さなコップを入れておきます。それを二組つくります。
2一組のコップには、中のコップが完全(かんぜん)にひたるまで水を注ぎます。
3もう一組のコップには、同じように静(しず)かにサラダ油を注ぎます。
4いろいろな方向から、二組のコップを見てみましょう。
上の二組のコップでためしてみよう。
1調理用ラップを少し入れてみましょう。どうなりますか?
2アクリル性(せい)定規(じょうぎ)を入れてみると、どうなりますか?
大きなコップの中に入れた小さなコップ、水を入れた方は見えるのに、サラダ油の中では見えなくなりましたね。調理用ラップも表面 にあわがついていなければ、まったくその存在(そんざい)がきえてしまったかのようです。
定規(じょうぎ)だって目盛(めもり)がだけが浮(う)いて見えます。不思議(ふしぎ)ですね。なぜサラダ油の中では透明(とうめい)になってしまうのでしょう?
物質(ぶっしつ)の種類(しゅるい)によってその中を光 が進むとき、光 の伝つた わ る速さ が異(ことな)ります。ある物質の中を進んできた光が、光 の伝(つた)わる速さの異る物質にあたると、光 は一部が反射(はんしゃ)され、一部が通過(つうか)します。このとき、光が斜(ななめ)にあたると、通過した光の進路は曲がります。これを屈折(くっせつ)といいます。(この曲がり方は、物質 の種類(しゅるい)によって一定なので、「屈折率(くっせつりつ)」といいます。)
ところが、同じ屈折率(くっせつりつ)の物質(ぶっしつ)の境界(きょうかい)を光が通(とう)るときは、反射(はんしゃ)も屈折(くっせつ)もおこらず、光はまっすぐ進んでしまいます。サラダ油の屈折率はガラスや調理用ラップやアクリル樹脂(じゅし)の屈折率とほとんど同じです。つまり、サラダ油の中にサラダ油を入れたようなものなのです。だから私わたしたちの目には見えなくなってしまったのです。